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 俺と翔の間、というか岡崎家と春原家の間では、ちょっとした暗黙の了解がある。

 例えば春原家が岡崎家に遊びに来るとする。最初の間は下の居間で喋ったりゲームで遊んだりするが、その後で大人子供まとめて八人で食事。食事の後、翔は俺の、そして椿芽ちゃんは巴の部屋に行く。そうして漫画読んだり人形で遊んだりしている間に、大人たちは酒を取り出してわいわい騒ぐというものだった。

 別に飲酒の光景が教育上望ましくないとか、そういう硬い話ではない。そもそもその夜の準備のために息子を近くの酒屋までひとっぱしりさせる両親なのだから、酒イコール悪い物と教え込むことが土台無理な話だ。高校生になってから酒飲みについて一通り話は聞いたが、それだって「飲酒運転はダメだ」「飲みすぎると二日酔いがひどい」「ひどい時には財布が空になる」という、もう少し現実味のあるたしなめ方だった。

 とどのつまり、食事の後子供は食卓に縛り付けられるのを好まず、両親たちにとっても子供がいない時にしか話せないこともあるんだろう。そして双方の利害が一致して、このしきたりというか、習慣ができた。

 そして両親たちだけの話があるなら、俺たちだけの話もあった。学校のこととか、クラスの奴のこととか、そういう話。好きな奴(ちなみに俺も翔も、初恋の相手は古河家の汐ちゃんだった)などといった真剣な話。エロ本の入手の仕方とか、グラビアの切り抜きの隠し場所とか、そんなしょうもない話。

 この話も、そんな俺と翔だけの話だった。

「ねぇ朋幸」

「あ?」

 「ジジの奇妙な暴犬」から目を放さずに、俺は返事をした。翔はこれまた「こちら亀有公園前攻殻機動隊」からわき目も振らず、いつも通りのほにゃらな声で聞いてきた。

「お前さ、何歳までサンタ信じてた?」




 

 



聖ニコラウスの記憶


 

 






「……あー」

 漫画を横に置いて、俺は胡坐をかいた。

「何でまた」

「いやさ、ニュースでサンタを信じる子供の比率が多いのが小学校までで、中学に入るとほとんど真相につきあたるんだってさ」

「へー」

「でさ、僕らの場合はどうなんだろうって」

 ぺらり、とページをめくる音がやけに大きく聞こえた。

「……椿芽ちゃんは?」

「え?」

「椿芽ちゃんはサンタのこと、いつわかったんだ?」

 すると翔は苦虫でも噛んだかのように顔をしかめた。

「あー、椿芽ね。あー、うん」

「何だよ、歯切れ悪いな」

「いや……椿芽の場合さ、僕が中学に入った頃……だから椿芽が小学校に入り立ての頃に僕が教えちゃった」

 ふと、その時の光景を想像した。



「ねーねー椿芽」

「ん?なーにー、おにーちゃん」

「しってたかい?サンタなんてな、いないんだよ」

「……えええええええええっ」

「プレゼントは母さんと父さんがくれてたんだぜ、知ってた?」

「うそ、うそだよぉ」

「マジだって。え?まさか信じてたの?」

「ふぇ、ふええええええんんんん」

「あっはっは、おっくれってるぅ」


「いてえなっ、何すんだよ」

 頬を抑えて翔が言った。

「黙れ腐れ外道。自分の胸に聞いてみろ」

「へ?いや、わけわかんないし」

「椿芽ちゃんの純粋な気持ちをぶち壊しにしておいて、何言ってんだ」

 ぽきり、と拳を鳴らして見せた。

「……あのさ、何か勘違いしてない?」

「言い訳か?見苦しいぞ」

「もしかしてさ、朋幸、僕がさらっと椿芽の信じてることをぶち壊しにしたとか、そう思ってる?」

「何をいまさら、言い逃れするんじゃねぇ」

 すると、翔は「ハァ」とため息を一つ漏らした。

「あのさ、『あの』椿芽、だぜ?サンタなんかをずっと信じてるわけないじゃん」

「何を……」

 言いかけて俺は止まった。そうだ、そうだった。相手は翔みたいな単細胞じゃなくて、椿芽ちゃんなのだ。杏先生の血を受け継ぎ、また芽衣さんの血も混じってる、切れ者なのだった。翔と同じレベルで考えていたらいけない相手だったのだ。

「何だかすっごく失礼なこと考えてますよね、アンタ」

「いやあ、そんなことはないさ」

 さらっと流して見せた。

「念のため言っとくけどさ、悪いのは椿芽だよ、ありゃ」



「お兄ちゃん、ちょっと相談があるの」

「ん。何だよ」

「あのね、サンタさんがね、みんなにプレゼント渡すでしょ」

「……あ、ああ」

「でもさ、今不況でさ、サンタさんもお金ないと思うんだ」

「そんな発想自体がびっくりですよ」

「でさ、今のトンデモ政治家たちならさ、慈善とかそんな理由でサンタさんのために税金あげたりしないかなぁって」

「……」

「……」

「…………それはないと思うよ?」

「ホント?」

「………………多分」

「それじゃあさ、それじゃあね、お兄ちゃん」

「何さ」

「サンタさんってさ、今何歳なんだろ」

「……さあ」

「ずっと昔からおじいさんだったんでしょ」

「そう、だね」

「寒い中、ご苦労さまだよね。大変だよね」

「だろうね」

「やっぱり年金システムが狂っちゃったりすると、ヤケになってストでも起こさないのかな」

「……………………サンタさんは自営業だから、ストはしないと思うよ」

「あ。そっか」

「お願いだから小学生らしい質問してくれよ」

「じゃあーさ。お兄ちゃんお兄ちゃん」

「はい」

「サンタさんって外人さんだよね」

「まぁ、そうだね」

「北極だっけ、南極だっけ」

「北極、だと思うけど」

「で、クリスマスの夜は世界中を飛び回るんだよね」

「あ、ああ、そうさっ」

「領空侵犯で自衛隊に撃墜されないかな」

「……」

「あ、というか航空自衛隊が『はん、あれ、どーせサンタだろ』とか思って敵国の小型スパイ機の領空侵犯を許した方が問題か」

「…………」

「っていうか、サンタさんってパスポートどうしてるんだろ。関税とかどうなってるんだろ」

「すみません勘弁してくださいお願いしますこの通りです」


「とまぁ、そんなこんなで種明かしをしちゃったんだ」

 はあ、と翔がため息交じりに言った。

「……で、椿芽ちゃんはどう取ったんだ?」

「『……あー。それは盲点だった』」

「いやそれちょっとおかしいだろ」

 うん、何と言うかどこかピントがずれてる気がする。最初にそっちを疑えよとか最初にそっちが怪しいだろとか。

「まぁ、結局椿芽がおふくろに話して、殴られたけど」

「そりゃ、何とまぁ」

 杏先生らしい。





「で、朋幸は何歳になるまでサンタを信じてたわけ」

 「こちら亀有公園前攻殻機動隊」から「ブローチ」に目を移した翔が言った。下の階からは時折楽しげな笑い声が聞こえてきた。さっき父さんと春原のおじさんのような声が「おっぱい!おっぱい!」と言っていたような気がしたけど、とりあえず無視した。ついでにその後に続いた奇妙な静寂も。

「そうだな……六歳ぐらいか」

「へぇ」

「小学校に上がった頃さ、誰かがサンタなんていないよ、とか言ったわけ」

 初めて聞いた時は、確かにショックだった。その日一日は授業が身につかなかった。家に帰ってもそんな調子だったので、母は心配して巴に話を聞いた。俺が三時限目が終わった休み時間以降そんな感じだと聞いて、母はなおさら心配した。そして俺の顔を覗き込んで尋ねた。

「どこか調子でも悪いのか」

「……ううん」

「……まさか学校で何かあったのか」

「……」

「イジメ、なのか?そういうことなら母さんに話してくれ。何とかして見せるから」

 イジメ、ではなかった。首を横に振ったが、母の心配はそれぐらいで止まりはしなかった。むしろ暴走した。

「ま、まさかこれが反抗期というものなのかっ!と、とと、朋幸は父さんや母さんが嫌いになってしまったのかっ!!」

 あの時の母さんの慌てぶりと言ったらなかった。何と言うか、父さんの「はっはっは、母さんは世界一かわいいなぁ」というのがわかった気がした。

「ち、ちがうよ」

「そ、そうか?本当に?」

「うん」

「そうか……よかった」

「あのね、かーさん」

 そして俺は母に思い切って聞いてみたのだった。


「サンタさんがいないって、ホント?」


 ぴしり、と母は笑顔を凍りつかせた。次の瞬間、たらたらたらたらと汗が幾筋も額から頬へと伝った。そして母はこの上もなく説得力に欠ける声で俺に言った。

「い、いや、サンタさんはいるぞ、うんっ!絶対いる、必ずいる、本当だぞ?本当にいるんだからな?」

「…………」

「ま、まさか母さんを疑ってるわけじゃないな?は、ははは、母さんが大好きな朋幸に嘘なんてつくわけないじゃないか、ははは」

 母は有能な人である。俺と同じくらいの時に母校の生徒会長として君臨し、町の横暴な伐採計画を完膚なきまで粉砕し(父:談)、大学も首席で卒業した後即結婚、新婚生活と大企業の新入社員生活を見事両立して昇進。俺たちを産んだ後に仕事を辞めると言いだした時、会社が泣きついてパートタイムでもいいからとすがったそうだった。

 しかし、嘘をつくのはド下手だった。

「……と、巴、ほら、お前も言ってくれ、サンタさんはいるって」

「……愚兄の無知蒙昧ぶりを目撃していささか茫然としていたのだが、母さんの頼みなら仕方がない」

 仕方のない兄だ、とため息をついて、巴は腕組みをした。

「とりあえず、サンタクロースがいるかどうかはわからないが、トナカイは存在するぞ」

「そりゃあ……動物園で見たからな」

「違う違う。私が言っているのは、クリスマス時にプレゼントを渡すトナカイの話だ」

 すると、母は顔をぱあっと輝かせた。

「うんうん、そうだなっ!サンタさんのトナカイはいるなっ」

「何で知ってるんだよ」

「見たからだ。クリスマスの夜、そっと下に降りていって、今のドアからのぞいた」

「へぇ……何してた?」


「母さんに手をわきわきしながら近づいていた」


「……」

「……」

「…………」

「…………」

「何だか、よいではないかよいではないか、とか、何を考えてるんだお前は、とか聞こえた」

「……どういう意味?」

「よくわからない」

 首をひねる俺たちの傍で、母さんがずぅぅうううううん、という効果音とともに崩れていた。

「た……鷹文にのぞかれただけでも恥ずかしかったのに……まさか小熊ちゃんたちにまで見られていたなんて……」

「たかふみおじさんがどうかしたの」

「い、いや、何でもない、何でもないんだっ!悪いのは朋也だからなっ」

「え?父さんが何かしたの?」

「い、いや、何もしてないっ!気にするな、それより今夜は納豆餃子だぞっ!楽しみだなっ!!」

『わーい』

 その時はそれで収まったのだが、その晩、俺は珍しく両親が口論する音を聞いて目を覚ました。

「もう二度としないからなっ!朋也には絶望した」

「な、なんだとぉぅううっ」

「ああ、私は母親失格だ……巴のクリスマスの思い出は、薄汚れたものになってしまったとは」

「どうしたもんだろうな、あっはっはごふっ」

「冗談ではないぞ朋也っ!そもそも、朋也があんな変なことを言いださなければだな」

「いや、そりゃ悪かったけどさ」

「ふんだ」

「あ、あはは、ちょっとまぁ待てよ智代。いや、そりゃ俺が悪い。悪いけどさ、あれはその、ほら、俺の智代への想いが暴走した結果でだな」

「……」

「いつもは収まるんだけどさ、智代が相手だとさ……」

「……私だと、何なんだ」

「歯止めが利かなくなるんだ。あぁ、智代って何てかわいいんだろう、俺って何て幸せなんだろう、ってな」

「……バカ。そんな、甘い言葉で私が、私が、騙されるなどとゆめゆめ……」

「智代、愛してるぞ」

「あ、私も……って、ちょっと待て、そういう話をしているわけでは」

「智代、今日も綺麗だな」

「え、あ、そ、そうか?その、ありがとう……」

「智代、悪かった。許してくれ」

「……うん。その、私も意固地になってしまったようだ。すまない」

「智代……」

「朋也……」

 父の母への愛情は桁外れに深く、桁違いに広い。前にも云った通り、母は高学歴の上に輝かしい業績の持ち主で、履歴書だけを見ればそんな母の想い人は国際的な商社マンか、新事業の若手社長なんじゃないかと思う人がいても不思議ではない。高卒で働き始めた父が母と一緒になるまでには恐らくすさまじいほどの苦労を背負い込んだことだろう。しかしそれでも父は母を愛し、そしてその愛を以て周りを納得させた。今では岡崎家だけでなく光坂市の無視できない数の人が「智代は俺の嫁、異論は認めない」を受け入れているのではないだろうか。

 しかし、できればTPOはわきまえてほしかった。





「で、お前はどうなんだ」

「んあ?僕?」

 ふいー、と背筋を伸ばしながら翔が言った。

「サンタねぇ……朋幸と同じくらいかな」

「へぇ」

「いや、実際に会ったことあるんだけどね」

 そう言いながら翔は頭を掻いた。

「会ったって……街中でプラカードを手にしてるお姉さんか」

「何で僕、客寄せの姉ちゃんをサンタさんと間違えなきゃいけないんですかねぇっ?!」

「いや、だってお前、そんなエロい妄想好きだろ」

「僕、六歳にして色悩全開っすかっ!!」

「考えてみろよ、翔」

 俺は両手を翔の肩に置いて諭した。

「無地の赤に白いふもふものライン。そんな素材の手袋、そしてミニドレスを着た超美人で超グラマーなお姉さんが夜、お前の部屋にやってきて『プ、プレゼントを届けに来たの……』と……」

 翔は一瞬こわばり、顔を赤らめ、次の瞬間には穴のあいたボイラーのように猛烈な蒸気を鼻から吹き出した。

「朋幸、何かそれすげぇ……って、だから僕が見たサンタはそんなんじゃないよっ」

「何だ違うのか。じゃあ最初からそう言えよ」

「言ってるだろ……とにかく」

 ごほん、と翔が咳をした。

「とにかくさ、クリスマス、つーたらサンタが来るから、夜は早く寝なきゃいけなかったんだよ」

 確かにそうだった。寝ない子にはサンタさんが来ないぞ、と母にせかされ、俺もよく布団の中で目をつぶった。

「そうそう、で、そういう時に限って眠れないもんなんだよね」

「ああ、そうだな」

「でさ、僕もこうやって目をつぶって、必死にだんご数えてたんだけどさ」

「それ、汐ちゃんに教わっただろ」

「まあね。とにかくさ、急に誰かが窓をとんとん、と叩いたわけ」

 翔は、ふとそこに誰かがいるかのように窓をちらりと見た。

「誰かなってカーテン開けてみたらさ、そこにサンタさんがガタガタ震えながらベランダで立ってたんだよね」

「……そりゃまた」

 きつそうだ。

「慌てて家に入れたんだけどさ、妙に説教くさくてさ。『本当はこんなに簡単に人を家に入れちゃだめなんだからね』って、自分で言ってやんの」

「その時点でサンタが親だって気付かなかったのか」

 すると翔は指を振りながら「ちっちっち」と言った。

「うちの親父さ、つけひげにサンタ帽だけじゃなくて、髪の毛まで金髪にしてたんだよね。ほら、前に昔の写真見たじゃん」

「なるほどな」

「でもさ、声だけじゃなくて口調も一緒でさ。おまけにそのサンタがいなくなって次の朝、おやじが風邪引いて寝込んでるんだよね」

「……そりゃまた」

 かわいそうに。

「いやぁ、そうでもないよ?」

「何でさ」

「朋幸はさ、うちのおふくろと親父のこと知らないからね」

「知ってるさ。ツンデレ二乗なんだろ」

 杏先生は普段は毒舌で春原のおじさんをいじめ、春原のおじさんも迷惑顔でそれを受け取ったりするけど、よく観察すると二人の仲の良さを伺うことができる。伊達に夫婦をやっているわけではない。

「まぁ、そうだけどさ。問題はデレ、のところだよ」

「は」

「おふくろのデレな、半端じゃないんだからね。いや〜、あそこまでいくと何、甘やかしもいいところ?何つーか、親父が風邪だからさ、うつしたらだめだってんで親の部屋はドア閉めっぱなしだったんだけどさ。おふくろがおかゆ持っていく時とかなんかデートに行くみたいだったし、中から聞こえてきた声なんて、どこのバカップルっすか、ってな具合でさ」

 前言撤回。





「でも……サンタか」

 漫画を棚に戻しながら翔が言った。

「やっぱさ、サンタっつーたら、サンタっ娘だよね」

「だな」

 男2人、狭い部屋。妄想は膨らみエロに変わる。これぞ正しく高校生。

「ミニドレスは無論肩の部分はむき出しな」

「手袋は腕まで行くのがセクシーだよね」

「ブーツ……ブーツは必須だ」

「足はむき出し……と見せて黒タイツ」

「ニーソでもいいんじゃないか」

「帽子は」

「必須ではないな」

 そこまで言って俺たちはにしし、と笑った。

「さすが翔さん、わかってらっしゃる」

「いえいえ、朋幸さんこそ」

「いし、にしししし、ぬしししししししし」

「むふ、むふふ、むふふふふふふふ」


「で、いつまでバカ笑いしてるつもり?」


 その一言で俺たちは凍りついた。この声、この怒気、このプレッシャー。ニュータイプでなくとも、幼いころから教育の名のもとに付けられた古傷が疼いて俺に教えてくれた。

 ぎぎぎ、を通り越してごりごりごり、と音を立てながら、俺たちは振り返った。そこで腰に手を当てて仁王立ちをしていらっしゃるお方。まごうことなく、それは春原杏先生だった。

「さっきから呼んでも来ないから、来てみれば……」

「え、よ、呼ばれてたの」

「き、きき聞こえなかった」

「あんたたち、ホントに父親に似てバカなんだから」

 ぴしゃりと言われてしまった。結構効いた。

「さっさと準備しなさい。遅いとおいてくわよ」

「へーい」

 全く、男ってどうしてこうも……と呟きながら杏先生が下に降りてった。俺たちは黙々と漫画を片づけた。放っておいてもかまわないのだが、帰る時になったらみんなでおかたづけ、という風に躾けられてきたので自然とそうなった。

「にしてもさ」

「あん」

「いつかはばれる嘘だってわかっててもさ、その時が来るまで子供に夢を信じさせるってのさ、すげえよな。何かこう、やっぱ大人ってすげえよな」

 すげえすげえと連呼する翔。そんな真面目な顔を見て、俺は笑った。

「だな。すげえな」

「だよな」

 

 

 

 

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