「引いてるぞ、巴」
「あっ、本当だっ」
そう言いながら、私は釣竿を引いた。すると先には小さいながら元気そうな魚がぴちぴちとはねていた。
「母さん、釣れたぞっ」
「うん、すごいな……っと」
そう言いつつも、母さんが竿を引くと、そこには私のよりも二回りは大きな魚が。
「すごいな母さんっ!すごい人気じゃないか」
「ありがとう。でも、複雑だ……私は父さんの嫁異論なんてあるわけがない、のだからな。嫌われるのも嫌いだが、慕われすぎるのも……」
そう母さんは言うと、困った顔で笑った。
「まあ、何かあったら父さんが母さんをほっとかないだろうけど」
「うん……そうだな」
姉妹じゃありません親子ですななな何だってー。釣られちゃった方、もし魚拓を残したい場合は下の拍手ボタンをどうぞ。