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はるか昔、彼方の街で……



CLANNADダブル誕生祭


エピソード2011

逆襲の副会長


我らのトモトモーズにとっては暗黒の時代であった。生徒会と教師陣の企みを破って無事復縁した二人だが、現役生徒会長の秘密の逢瀬を暴こうと新聞部と風紀委員会が二人をどこまでも追い詰める。


恐るべき生徒会直属の風紀委員会と秘密警察たる新聞部を逃れようと、岡崎朋也は宮沢有紀寧を頼って体育館倉庫に新たな秘密の愛の巣を構築した。


悪の生徒会副会長、末原悠仁 は必死の形相で生徒会長坂上智代を見つけようと、今日も新聞部のエージェントに任務を与えるのだった……



 

 

 

 

 

 


「とか考えてみたんだが」

 秋生の発言は、束の間の沈黙、その後激しいブーイングの嵐によって迎えられた。

「何だよてめえら、ノリが悪いな」

「つーかオッサン、學校で愛の巣って、学校を何だと思ってるんだ」

「ゴメン朋也、アンタが言ってもこれっっっぽっちも説得力ないから」

 珍しく正論を口にする朋也だったが、すかさず杏がツッコミの手をいれた。

「そもそも、僕が悪の帝王だなんて、酷すぎやしないか」

 腕組みをして気難しそうに末原副会長が言うが、そんな彼のもっともな発言もしらけた視線に晒されるだけだった。

「な、何だよ」

「あのさ末原君、馬に蹴られて死ねって諺、知ってる?」

「何のことだかさっぱりなぁ?」

「そうやってしらばっくれてグフッグフッて笑ったりするから悪の帝王とかカスとか空気嫁とかアホヘアメガネとかネットで叩かれるんだよね」

「誰がアホヘアメガネだっ」

 末原と安倍が生徒会夫婦漫才をやっているのを尻目に、会議は続行した。

「でも、このノリだとさ、最初はロボットとか出てくるんでしょ?演劇部のセットにそんなのあったっけ」

 春原が首をかしげると、杏が自信満々な笑顔を作った。

「そりゃ大丈夫よ」

「そりゃまた何で」

「ことみが今頑張って作ってるから」

「嘘っ」

「ホントホント。ほら、これが頭部の写真」

 そう言って携帯を操作して見せた写真には、半球の頭部に耳のようなネジ二本が突き出た機械が写っていた。

「脊椎っぽいのが妙にリアルで嫌だね」

「で、これが全体の写真」

 そこには、二頭身サイズの人型ロボットの写真があった。どことなく可愛らしい感じだ。

「で、これが可動実験の動画。汐ちゃんに手伝ってもらったんだって」

「え、もう動くの?!」

 ふふん、と得意げに杏は笑うと、携帯を操作して動画を再生した。その携帯を、春原の他にも渚や椋、風子が囲む。

「わっ!すごいですっ!手を差し出すと握手しましたっ!」

「あ、こっちは手を叩いてるところに反応してますね」

「汐ちゃん可愛いですっ!さすがは風子の妹ですっ!!」

「最後のおかしいだろ」

 わいわいと賑わっているところで、春原が何気なく杏に聞いた。

「で、これ、ブラスターとか装備してるの?」

 一瞬で訪れる沈黙。

「えっと、確か最初の戦闘シーンを撮影するんだよね?これじゃ可愛すぎない、兵器として?」

「……」

「いや、そりゃ技術的にとんでもなくすごいのはわかってるけどさ、目的にそぐわないっていうか……ねえ?」

「…………」

「それにさ、悪の帝王の手先だから、結局は派手に吹き飛ばさなきゃいけないんだよね?何だかホンタとかショニーとか、ロボット作りに真剣な皆さんの怒りを買いそうなんですけど」

「渚、衣装の方の準備は?」

「はいっ!雪国を一応想定して、翼の生えたランドセルやらショールやらウェディングベールやら剣やらちゃんちゃんこやら調達してきましたっ」

「って、スルーっすかっ!!」

 春原の絶叫に応えるものは、残念ながらいなかったという。



「ちなみに小僧、ともぴょんはどこだ」

「ああ、『自分の祝い事の相談になんて参加できるかっ』って照れ隠しで怒鳴っていっちまった」

「じゃあ、まぁ、小僧、お前も一応主役の一人ってことでお前にも意見を聞こう」

 秋生が不敵にニヤリと笑うのを見て、朋也は嫌な予感がした。

「なんの話だ、オッサン」

「いや、お前とともぴょんの誕生日の余興をな。で、小僧」

 ずい、と秋生が両手に四つのパンを持って朋也に突き出した。

「……激しくこのパンとは関わりを持つなって俺の第六感が叫んでいるんだが、一応聞いておこう。これは何だ」

「もちろん、早苗のパンだ」

 うわ、やっぱり。

「右からハヌマーンパン、ベルセルクスパン、トンチンパン、そしてチキチキパンパンだ」

「よくわからないが……」

 とりあえず全部やばそうだ。

「これをどうするつもりだ、オッサン」

「決まってるだろ。パーティー会場にあるまともなパンに紛れ込ませておくのよ」

「すげぇ悪質だな」

「平凡なパーティーに巻き起こる大騒乱!疑心暗鬼になる招待客たち!増える犠牲者!犯人は誰だっ!!」

「オッサンだろ」

「……とまぁ、忘れられない記憶になるだろうよ」

「……だろうな」

 絶対に。悪い意味で。

 そう心の中で朋也が呟くと

「……私のパンは……私のパンは……」

 一瞬で強ばった体を無理やり振り返らせると、そこには大粒の涙をこぼしながら佇む古河早苗(永遠の17歳)が佇んでいた。


「リアルでミステリーナイトを楽しむためのものだったんですねぇぇええええええええええええええええええ!!」


 俺はっ!大好きだぁあああああああああああああああああああああああああああああああ、と絶叫しながら秋生がかけていくのを眺めながら、朋也はため息をついた。

「にぃちゃん、何ため息ついてんのさ」

「鷹文か……いや、あの二人もよくやるなって」

「にぃちゃんが言えたことかなぁ?」

 昨日泣きながら全力疾走する姉と、それを追いかける義兄の姿を思い浮かべて、鷹文が苦笑いを浮かべた。

「で、どうすんの、誕生日パーティー?秋生さん、行っちゃったし」

「しょーがねーな。あの手を使うか」

「あの手?」

「ああ、まぁ、最後の手段つーかさ」

「最後の手段?」

 首をかしげる鷹文に朋也はニヤリと笑ってみせた。

「シナリオの一般公募」

「うわぁ」

「ちょっとぉ、待ちなさいよ」

「岡崎、マジかよ」

 朋也の一言で、その場にいた者全員が度肝を抜かれたような顔をした。

「シナリオって、どんな形式よ」

「一般応募っていっても、資格とか必要にするの?」

「クロスオーバーとかは可なんですかっ」

「いつまでやるつもりだい、朋也君」

「Pixivからの参加は可なの?」

「待った待った待ったぁあああああ」

 あまりにも同時に押し寄せられた質問に、朋也が一歩下がって怒鳴った。

「いろいろ質問もあるだろうけど、ここはあれだ、ほら、前にあった、一問一答で行こう。まずは杏から」


岡崎朋也の一問一答


Q:朋也、どういう形式で作品をどこに送ったらいいわけ?

AHTML、テキストファイル、ワード文章(SSの場合)またはDNMLのタイトルとリンク(DNMLの場合)またはJPG、GIF形式の イメージを、うちの脚本担当のクロイ≠レイまでにメールで送ってくれ。その時、作品名、作者名、ジャンルとメインキャラを忘れずにな。また、Pixiv投稿の場合はタグに 「CLANNADダブル誕生祭」と記入して連絡を取っていただければ、それを会場にてコピー&ペースト方式で公開する。


Q:ねぇ岡崎、これって誰でも参加していいの?

A:もちろん。今までの経験とか、そんなの関係ね。


Q: あのっ、クロスオーバー作品とかいいんでしょうかっ!ジャンルは特に決まってますかっ!

A:ジャンルは自由、クロスオーバー上等、だけど18禁は勘弁な


Q:開催期間はいつまでだい、朋也君?

A:智代の誕生日である十月十四日未明から俺の誕生日明けの三十一日まで


Q:あたしの彼氏が何か姉コンプレックスっぽいんだけど、どうすっかね

A:安心しろ、鷹文はそれで正常だ


Q:お一人何作までとか、制限はありますか?

A:ない。同一作者からの複数投稿はむしろ大歓迎だ


Q:作品は自分のサイトなどで公開してもOKプヒか?

A:もちろん。っていうか、え?今の誰?


Q:ヒトデは出てきますか

A:知るか


Q:朋也君、一言、どうぞなの

A:総員BURNINGモノスゲェごっつく楽しむこと、魂をかけて


Q:ねぇ朋也お兄ちゃん、私主役の連載SSがさぁ、これのせいで当分休載っていうかほっぽり出しって噂、ほんとなの?ねぇ

A:…………おっしゃあ、みんなっ!始まるぞっ!!


『おおおおっ!!』






「やっぱそうなんだ。ふーん?いいけどさ。まぁ、ほら、私ってさ、いらない子だしさ。どーせどっかの野原で花摘んでりゃいいって、そういうことなんだよね。けっ、人生の宝だぁ?そんなんだから朋也お兄ちゃんラストシーンで(校閲)」

 

 

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