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岡崎朋也の暴走 ‐ 芸術は爆発だ ‐

 

 

朋也: うーん

鷹文: にぃちゃんどうしたの、唸っちゃって

朋也: おう、鷹文、ちょうどいいところにきた。これをどう思う

 

 

 

 

 

とも: ギャー

 

鷹文: すごく……キモイです……って、懐かしいやら思い出したくないやら

朋也: あの頃の俺の仕事で培った工作技術の全てを注ぎ込んだ力作だ

鷹文: とも、兄代表として謝っとくよ。ごめんね

朋也: しかしここで問題が起きる

鷹文: うん、これ早いところなんとかしないと、巴ちゃんとかもトラウマになりかねないしね

朋也: 対となるパンダにも、俺の工作技術でバージョンアップしなければ

鷹文: うん、そうそう……って、えぇえぇぇええええぇええええええ!!?

朋也: せっかく二つあるんだ。ドレスアップして智代の誕生日祝いにぴったりにしないとな

鷹文: どこがぴったりなのっ?!何でねぇちゃん喜ぶんだよっ!!

朋也: だって前褒めてたじゃん、智代

鷹文: ねぇちゃん、確かこれ見て「悪い夢でも見てるみたいだ」とか言ってたけど無視ですかそうですか

朋也: 覚悟しろパンダ、これでお前は生まれ変わるっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星一徹「解せぬ」

 

鷹文: ぎゃああああああああああああああ

朋也: どうしたんだ、奇声なんかあげて

鷹文: に、にぃちゃん、何これ

朋也: ああ、最初はやっぱ可愛くしようかと思ったけどさ、そもそもパンダは俺専用っぽいからさ。ここは男らしく

鷹文: 男らしすぎて違和感ありまくりだよっ

朋也: というわけで隣に並べてみよう

 

 

とも:ギャー

 

鷹文: ……今夜夢に出てきそうだね

朋也: メルヘンチックなクマに、男のロマンのパンダ。うん、いいだろう

鷹文: にぃちゃんさ、さっきから僕の言ってること都合良く解釈してるだけでしょ

朋也: 時に鷹文、巷ではナウなヤングがくまとパンダのグッズにフィーバーしてるんだって

鷹文: いつの時代の言葉なの、それ

朋也: たれてるのがどうの、だらけてるのがどうの

鷹文: あーあったね、そんなの

朋也: あれをだな、俺風にアレンジして智代にプレゼントしたら、喜ぶんじゃないか

鷹文: え、これ続くの?いい加減にしないと、見てる人から精神汚染を起こしたとかで慰謝料請求されたりするよ?

朋也: プレゼントにはそういう俺の付属価値をつけなきゃいけないと思うんだ。「ああ、これは朋也からだな」ってすぐわかるようにな

鷹文: いや、いらないでしょ、そういうの

朋也: で、ここにたれてるのがある

鷹文: たれてるね、たしかに

朋也: たれてるというのはつまり元気がないからだ。元気がないのはつまり、こいつはお年寄りなのではないかと思う

鷹文: そ の 発 想 は な か っ た

朋也: だから、みんなだまされんな、こいつは実はこういう奴なんだっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目がぁあ 目がぁあああああ

鷹文: にぃちゃん自重

朋也: メガネをかければまだ何とかなったのに、かわいさのために外せだなんて……ひでぇことしやがる

鷹文: コンタクト入れればいいじゃん

朋也: 次にだらけてる奴だけどな

鷹文: うんそうだよね都合の悪い質問はスルーだよね

朋也: だらけてる姿勢が可愛いかどうかは置いておこう。とどのつまりユルユルなのがウケてるわけだ

鷹文: そうだね。あれで「バリバリクマ」なんて出ても嬉しくもないよね

朋也: しかし姿勢はだらけていても、表情にだらけが足りない

鷹文: 表情ねぇ

朋也: こいつには、そう、アイスが冷凍庫からなくなって三日ほど経った河南子のだらけさがない

鷹文: 一応あれでも僕の家内なんですけど

朋也: そこで岡崎最高クリニックだ。最高のだらけを演出してみせるぜ

鷹文: 改変しないで渡したほうが喜ぶと思うなぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パタリロ:解せぬ

 

朋也: 見よこの憎いまでのだらけぶり

鷹文: そ の 発 想 は な く て も よ か っ た

朋也: くそぅ、気持ちよさそうに寝てやがって

鷹文: 本当に憎んでどうするのさ

朋也: ところで動物愛護の世界的マークがパンダだって知ってるか

鷹文: 動物愛護……ああ、あの団体ね

朋也: しかし困ったことにパンダは中国の動物で、日本文化とは言い難い。

鷹文: まぁ、そうかもね

朋也: だから智代の大好きなパンダマークを日本人に馴染み深いものにするために、能の美術を吹き込む必要があると思う

鷹文: やな予感……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小面:解せぬ

 

鷹文: うわぁ……

朋也: の……能の「小面」の……優しげな目を……描いたんだけどな……

鷹文: これ、マジでトラウマじゃないかな

朋也: まさかこ……んな……インパクトがあるとは……

鷹文: にぃちゃん、さっきから大丈夫?

朋也: ぶわっははははっはっはっははは

鷹文: うわっ

朋也: こ、これは、ひぃい、ぶははははは、か、描いた俺ですら……はははは……きついわ

鷹文: 夢に出るどころか呪われそうなんですけど……

朋也: うわはははははははは、はひっ、ひいっ、腹いてぇ、わははははははははは……あれ、鷹文?

 

 

 

 

 

 

 

智代さんマジ智代さん

 

智代: 存分に楽しめたか?

朋也: え……智……代……?

智代: ずいぶんと楽しそうだったんでな。で、私への何が何だって?

朋也: ……うわぁあああああああああああああああああああああああああああ

 

 

 

 

 

 

このあと父さんはしっかり正座でお説教された後、二時間ほど母さんのクマの素晴らしさについての演説を聞かされました。それと鷹文おじさんは知らない子からいらない子に降格されました。それと便座カバー (談:朋幸)

 

 

 

 

 

 

 

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